堺市の不動産売却にかかる税金をわかりやすく解説|3,000万円特別控除・長期短期税率から最新の空き家特例まで
堺市内で分譲マンション、一戸建て、土地、あるいは相続した実家や長年空き家状態となっている物件の不動産売却・不動産売買をご検討中の方へ。不動産を処分する際、多くの方が「いくらで売却できるか」という査定価格や市場価格にばかり関心を持たれます。しかし、不動産取引において最も重要なのは、売却によって得られた大金から、一体いくらの税金が差し引かれるのかという点です。不動産売買に伴う税金の仕組みは非常に複雑で、売却によって出た利益の算出方法や所有していた期間、さらには国の用意した各種特別控除(特例)の適用可否によって、最終的な納税額が0円で済むケースもあれば、数百万円以上の巨額な課税がなされるケースもあります。本記事では、堺市の地域特性を踏まえながら、不動産売却時に関係する「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」「印紙税」などの基礎知識から、税負担を劇的に抑えるための特例の活用法までわかりやすく徹底解説します。
このようなお悩みはありませんか?
不動産の税金システムは日常的に馴染みがないため、売却活動を具体的に進めようとする段階で、以下のような疑問や強い不安を覚える売主様が後を絶ちません。
- 堺市内でマイホームや土地を売却した際、最終的にどのような税金がいつ、どこに対して発生するのか整理したい
- 不動産会社が提示してくれた「売却価格」が、そのまま丸ごと自分の手元に残るわけではない理由と、その内訳を知りたい
- テレビやネットでよく見かける「3,000万円特別控除」という特例が、自分のマンションや戸建てにも適用できるのか基準を知りたい
- 親から堺市内の古い実家を相続したが、誰も住んでいない空き家を売却する場合に特有の税金やペナルティがないか心配
- 数十年前に購入した土地で、当時の契約書を紛失してしまい「購入価格が分からない」のだが、その場合の税金の計算方法が不安
これらのお悩みを放置したまま、自己判断や知識不足の状態で不動産売買の契約を結んでしまうのは非常に危険です。最悪の場合、売却した翌年になってから税務署から想定外の数百万円規模の税金通知が届き、「新居の買い替え資金が足りなくなった」「ローンの返済計画がすべて崩れてしまった」という取り返しのつかない事態に陥る売主様が実際に存在するからです。不動産売却で後悔しないためには、売出活動を始める前の段階で、税金の基本的な構造とご自身の物件に適用できる控除制度の有無を、プロの視点から確実にシミュレーションしておくことが不可欠です。
この記事で分かること
- 不動産売却・不動産売買時に売主様に課される主な税金の種類と一覧
- 課税対象となる本当の利益「譲渡所得」の正しい計算方法と、減価償却の考え方
- 5年の壁で税率が2倍変わる「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の、間違いやすい判定基準
- 居住用マイホームを売却したときに税金をゼロにできる「3,000万円特別控除」の適用要件
- 令和6年1月最新の法改正に対応した「相続空き家の3,000万円特別控除」の緩和措置と注意点
- 売買契約書に必要な印紙税の軽減措置や、引き渡し時に行われる固定資産税・都市計画税の清算実務
1. 不動産売却で税金がかかるのはどんなとき?
まず、すべての売主様に最も知っておいていただきたい大前提は、「不動産を売却したからといって、必ずしも高額な税金が課されるわけではない」という事実です。日常の買い物でかかる消費税のように、売却代金全体に対して一律に税金が課される仕組みではありません。
不動産売却において、所得税や住民税などの重い税金が発生するのは、原則として**「不動産を売却したことによって、純粋な利益(儲け)が出たとき」**だけです。不動産売買の実務や税法上、この不動産の売却によって生じた利益のことを**「譲渡所得(じょうしょとく)」**と呼びます。
この譲渡所得は、単純な売却価格(成約金額)そのものを指すわけではありません。売却した金額から、過去にその不動産を購入したときにかかった「取得費」と、今回売却するために直接支出した「譲渡費用」をすべて差し引いて計算します。
= 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
例えば、過去にマイホームを3,500万円(取得費)で購入し、何年か住んだ後に市場の変動で2,800万円で売却したとします。この場合、引き算の結果はマイナス(譲渡損失)になるため、譲渡所得は「ゼロ」となり、売却に伴う譲渡所得税や住民税は1円も発生しません。堺市内で一般的な中古マンションや一戸建ての不動産売買においては、購入時よりも値下がりして売却されるケースも多いため、実は「税金がかからない」売主様の方が多数派を占めています。
一方で、注意が必要なのは「昔に購入して価値が大きく上がっている先祖代々の土地」や「親が何十年も前に安く買い、購入当時の売買契約書がどこにあるか全く分からない相続不動産」などを売却する場合です。このようなケースでは、引き算をするための「取得費」が法律のルール上、非常に低く見積もられてしまうため、多額の譲渡所得(利益)が算出されてしまい、結果として巨額の税金が課されるリスクが跳ね上がります。
2. 不動産売却に関係する主な税金の一覧
堺市で不動産を売却する際、売主様が把握しておくべき主要な税金の種類とその課税対象、納付するタイミングを以下の一覧表に整理しました。
| 税金の種類 | 課税される対象・発生するケース | 納税の手続き・支払うタイミング |
|---|---|---|
| 譲渡所得税 | 不動産の売却によって、購入時・売却時の諸費用を引いてもなお「利益(譲渡所得)」が残った場合 | 売却した翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を行い、税務署へ納税する。 |
| 住民税 | 譲渡所得税と同じく、売却によって「利益」が出た場合に、その所得に対して地方自治体から課税される | 確定申告をした情報に基づき、売却翌年の5月以降に自宅へ届く住民税納付書、または給与引き落としで納付する。 |
| 復興特別所得税 | 東日本大震災からの復興財源確保のための税金。売却益にかかる「所得税額」に対して2.1%が上乗せされる | 翌年の確定申告時に、譲渡所得税(所得税)と合算して一括で納税する(令和20年まで)。 |
| 印紙税 | 不動産売買の当事者間で交わされる「不動産売買契約書」を書面で作成する際に課される国税 | 売買契約の締結当日。契約書面に金額に応じた額面の収入印紙を貼り、消印することで納税する。 |
| 登録免許税 | 住宅ローンの抵当権を抹消する登記や、登記簿上の所有者の住所・氏名を最新の情報へ変更する登記を行う際の実費 | 売却代金を受け取る「決済日(引き渡し日)」当日。手続きを代行する司法書士を通じて国へ納付する。 |
この中で最も金額が大きく、売主様の手取り額に壊滅的な影響を与えかねないのが「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」の3つのセットです。これらはすべて「売却で儲けが出た場合の後払い」となります。一方、「印紙税」と「登録免許税」は、利益の有無に関係なく、契約や登記という手続きを行う際の実費として**必ずその場で発生する固定費用**となります。
3. 譲渡所得を算出する「取得費」と「譲渡費用」の正しい計算方法
税金の額を1円でも低く抑える(合法的に節税する)ためには、売却価格から引き算できる「取得費」と「譲渡費用」の中身を漏れなく正しく理解し、税務署に申告することが最大のポイントとなります。
①取得費(しゅとくひ)とは
売却した不動産を、過去に手に入れた時にかかった費用の総額です。具体的には以下の項目が該当します。
- 過去の土地・建物の購入代金、または建物の建築請負代金
- 過去に購入した際に不動産会社へ支払った仲介手数料
- 購入時の登録免許税、司法書士報酬、不動産取得税などの税金・実費
- 購入後に施した、建物の価値を高めるための大規模な増改築やリフォームの工事費用
【最重要】購入時の売買契約書が見つからない・分からない場合
相続した古い実家や、数十年前に購入した土地などで、当時の契約書や領収書が一切紛失してしまっているケースが堺市内でも非常に多く見られます。購入時の証憑(証拠書類)が何もない場合、税法上は非常に厳しいペナルティ的な救済措置として、売却した価格のわずか「5%」を購入にかかった取得費として計算しなければならないルール(概算取得費)が存在します。
例えば、親から相続した堺市の土地が「3,000万円」で売却できたとします。しかし昔の契約書がないため、取得費は3,000万円の5%である「150万円」とみなされてしまいます。すると、差額の【3,000万円 - 150万円 = 2,850万円】という莫大な金額がすべて「純粋な利益(儲け)」として判定されてしまい、後述する何百万円もの高額な譲渡所得税が直撃することになります。売却前には、必ず実家の押し入れや金庫の奥底まで、過去の契約書や権利証(登記識別情報)、当時の不動産会社のパンフレットや領収書に至るまで、金額の証明に使える資料を徹底的に探し出すことが鉄則です。
②譲渡費用(じょうとひよう)とは
不動産を売却するために、直接的かつ必要不可欠として支出した諸費用のことです。以下のような項目が該当します。
- 今回の不動産売却において不動産会社へ支払った仲介手数料
- 売買契約書に貼付した収入印紙代(印紙税の実費)
- 土地を売るために隣地との境界を確定させた土地家屋調査士への確定測量費用
- 建物を解体して更地(土地)として引き渡す条件で売却した際の、建物の解体工事費用
- 既に居住中の買主を退去させるために支払った立退料など
なお、売却活動中に物件を綺麗に見せるために行った一般的なハウスクリーニング代や、物件を維持するために支払っていた固定資産税、マンションの修繕積立金などは、売却のために直接かかった費用(譲渡費用)としては税務署に認められないのが原則ですので注意してください。
4. 5年の壁で税率が2倍変わる「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」
取得費と譲渡費用を引き算した結果、プラスの「譲渡所得(利益)」が残ってしまった場合、そこに掛け合わされる税率は一律ではありません。国は投機的な不動産の短期転売(バブル期のような転がし行為)を抑制する目的から、不動産を「何年間所有していたか」によって、税率を以下の2区分に大きく引き分けています。
「長期譲渡所得(5年超)」と「短期譲渡所得(5年以下)」
それぞれの正確な税率の内訳と、実際の申告で使われる復興特別所得税を加算した合計税率は以下の表の通りです。
| 区分 | 所有期間の判定条件(売却した年の1月1日基準) | 実際の合計税率(所得税+復興+住民税) |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 不動産の所有期間が「5年を超える」場合 | 20.315% (所得税15% + 復興0.315% + 住民税5%) |
| 短期譲渡所得 | 不動産の所有期間が「5年以下」である場合 | 39.63% (所得税30% + 復興0.63% + 住民税9%) |
なお、親から相続によって引き継いだ実家や土地を売買する場合、所有期間のカウントは「親がその不動産を過去に購入した日」からそのまま売主様に引き継がれます(パサージュ)。親が何十年も前から住んでいた実家であれば、相続してすぐの売却であっても自動的に「長期譲渡所得(20.315%)」の有利な税率が適用されますので、その点はご安心ください。
5. マイホーム売却時の最強の味方「3,000万円特別控除」
前述の通り、5年以下の短期売却では約40%、5年超の長期売却であっても約20%という重い税金が課されますが、一般の個人が自分が現に生活の拠点として住んでいたマイホーム(居住用財産)を売却する場合には、国から極めて手厚い税制上の救済措置が用意されています。それが**「マイホームを売ったときの3,000万円特別控除の特例」**です。
この特例が適用できる場合、前述の計算で算出された譲渡所得(利益)から、無条件で最高3,000万円をマイナス(控除)することができます。つまり、不動産を売却して得られた純粋な儲けが3,000万円以内に収まっていれば、課税対象となる利益が法律上「ゼロ」になり、長期譲渡所得であろうが短期譲渡所得であろうが、**譲渡所得税・住民税が完全に「0円」**になります。
課税譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)- 3,000万円
この特例の素晴らしい点は、物件の「所有期間の長短」を一切問わないという点です。新築マンションを購入してわずか2年で転勤のために売却することになり、運よく購入時より高く売れて利益が出たというような短期譲渡のケースでも、要件を満たせばこの3,000万円控除を使って税金をゼロに抑えることができます。
3,000万円特別控除を利用するための主な必須要件
マイホームであれば無条件で誰でも使えるわけではなく、以下のような厳格な条件をクリアし、かつ売却翌年にしっかり確定申告をやり遂げる必要があります。
- 現に自分が居住している自宅を売却すること。または、住まなくなった日から数えて「3年目の年の12月31日まで」に売却すること(転居後、何年も放置していると対象外になります)。
- 売却相手が、自身の配偶者(妻や夫)、直系血族(親や子供)、あるいは自身が経営する同族会社など「身内・親族間売買」ではないこと(利害関係のない第三者への通常の売買であること)。
- 売却した年の前年、前々年に、この3,000万円特別控除や、他の買い替え特例などのマイホーム関連の優遇税制を一切受けていないこと(3年に1度しか使えない特例です)。
堺市内で住み替え(買い替え)を行う際、新居の購入で「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」の利用を予定している場合は、この3,000万円特別控除と住宅ローン控除を「両方同時に併用することは原則としてできない(選択制である)」という非常に重要なクロスルールが存在します。どちらの制度を選んだ方がトータルのキャッシュ(家計の利益)が大きくなるのか、売却前に不動産会社や税理士によるシミュレーションを行うことが極めて重要です。
6. マイホームを長く持っていた場合の「所有期間10年超の軽減税率」
堺市内の同じ一戸建てや分譲マンションに、10年以上の長きにわたって家族で住み続けてから売却・不動産売買を行う場合、前述の「3,000万円特別控除」と「完全に重ねて一緒に使うことができる(併用可能)」、もう一つの強力な減税制度があります。それが「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」です。
この特例の適用要件を満たす場合、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えているマイホームの譲渡所得について、3,000万円特別控除を引いた後に、なお残ってしまった利益に対する長期譲渡所得の税率(通常20.315%)が、以下のように劇的に引き下げられます。
| 3,000万円控除後の課税譲渡所得の金額 | 通常の長期譲渡所得税率 | 特例適用後の軽減税率 |
|---|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 20.315% | 14.21% (所得税10.21% + 住民税4%) |
| 6,000万円超の部分 | 20.315% | 20.315% (通常の税率に戻る) |
例えば、長年住んだ実家や一等地のマイホームが非常に高く売れ、すべての諸費用と3,000万円控除を差し引いても、まだ「1,000万円」の課税対象の利益が残ってしまったとします。通常の長期税率であれば【1,000万円 × 20.315% = 約203万円】の税金ですが、この10年超の特例が使えれば【1,000万円 × 14.21% = 約142万円】となり、差し引きで約61万円もの税金を一瞬にして合法的に節約することができます。堺市内で子供の独立や老後の生活設計に合わせて住み替えを行うシニア世代の売主様にとっては、絶対に忘れてはならない重要資格です。
7. 相続した実家を処分する際の「相続空き家の3,000万円特別控除」と最新法改正
近年、堺市内でも北区や西区、南区のニュータウンをはじめ、古い住宅街において「一人暮らしをしていた親が亡くなり、誰も住む人のいなくなった実家が空き家として残されてしまった」という相談が爆発的に増加しています。こうした全国的な空き家・放置国家問題を背景に、国は空き家の流通・解体を力強く後押しするため、一定の厳しいハードルをクリアした空き家の売却について、マイホームと同様に利益から最大3,000万円を控除できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」を設けています。
この特例を適用させるためには、主に以下のような「ガチガチの条件」をすべて満たす必要があります。
- 亡くなった親(被相続人)が、亡くなる直前までその家屋に「完全に一人で暮らしていた」こと(親と同居していた子供が、親の死後に家を売り出す場合は適用対象外になります)。
- 売却する建物が、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたもの、すなわち「旧耐震基準」の築古木造一戸建てであること(※分譲マンションなどの区分所有建物は、この特例の対象外です)。
- 親が亡くなった日(相続開始日)から数えて、「3年目の年の12月31日まで」に不動産売買契約を成立させ、引き渡しを完了すること。
- 売却代金の総額が、土地と建物をすべて合わせて「1億円以下」であること。
ただし、この特例を兄弟姉妹などの「3人以上の共有名義」に相続登記した状態で売却する場合、令和6年の法改正によって控除限度額が1人あたり「2,000万円」に縮小されるという新たな制限も設けられました。相続人が多い場合は、売り出す前の名義の持たせ方について、堺市の不動産売買に精通した不動産会社や税理士と入念に事前の作戦を立てておく必要があります。
8. 契約書の作成時にかかる「印紙税」の軽減措置
不動産売買契約書を書面で作成する際、売主様と買主様は契約書に記載される取引価格に応じた金額の「収入印紙」を文面に貼付し、実印や認め印で割印(消印)を施すことで印紙税を国へ納めます。通常、契約書は2通作成されて双方が1通ずつ保管するため、印紙代の実費は売主・買主が1通分ずつ均等に負担します。
不動産の譲渡に関する売買契約書については、現在、租税特別措置法に基づく「印紙税の軽減措置」が適用されており、「令和9年(2027年)3月31日まで」に作成される売買契約書であれば、本則税額の半額程度に引き下げられています。
| 不動産売買契約書に記載された取引価格(売買金額) | 軽減措置適用後の印紙税(売主様の負担実費) |
|---|---|
| 500万円超 ~ 1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超 ~ 5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超 ~ 1億円以下 | 30,000円 |
堺市内の新耐震基準のファミリー向けマンションや戸建て住宅、一般的な建築条件なし土地の売買取引では、成約価格が1,000万円超から5,000万円以下の範囲に収まるケースが非常に多いため、その場合の売主様の印紙税の実質負担は一律で「1万円」となります。
9. 抵当権抹消登記や住所変更登記における「登録免許税」
不動産の売買において、売主様から買主様へと名義を書き換える「所有権移転登記」の登録免許税(固定資産税評価額の2.0%など)や、それを法務局へオンライン申請する司法書士への高額な成功報酬は、特段の合意がない限り、新しく名義人となる「買主側が全額を負担する」のが不動産業界の一貫したルールです。しかし、売主様側にも、引き渡し手続きを完了させる大前提として、以下の登記費用(登録免許税の実費と司法書士への報酬)が自己負担として発生します。
①抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)
売却する物件にまだ住宅ローンの借り入れ残高がある場合、銀行が設定している担保権(抵当権)を消し去る必要があります。登録免許税は、不動産1筆(土地1筆、建物1棟)につき1,000円です。一般的な一戸建てであれば土地と建物で独立しているため計2,000円。これに加えて、当日の取引に立ち会って一括返済手続きと抹消書類の回収を代行してくれる司法書士への報酬として、およそ1万円〜2万円前後が必要となります。
②住所変更登記・氏名変更登記
購入した当時の住民票の住所から、その後引っ越し等を経て現在の住所に変わっているにもかかわらず、不動産の登記簿謄本上の名義人の住所を「古い旧住所のまま」放置しているケースが非常に多く見られます。法務局のシステム上、登記簿上の住所と、売主様が引き渡し当日に提出する最新の「印鑑証明書」の住所が1文字でも完全に一致していないと、買主への所有権移転登記がエラーとなり却下されてしまいます。そのため、前提手続きとして「住所変更登記」を司法書士に発注する必要があり、これも不動産1筆につき1,000円の登録免許税と、司法書士への変更代行報酬(約1万円〜1万5,000円)が売主様の負担となります。
10. 不動産売買の実務で行われる「固定資産税・都市計画税」の日割り精算
固定資産税および都市計画税は、法律上、毎年「1月1日時点」において、法務局の登記簿に所有者として登録されている人に対して、その年の一年分の税金(4期分割の全額)が、堺市役所の固定資産税課から一括して課税されます。そのため、例えば年の途中の「7月1日」に不動産を売却して名義を買主に渡したとしても、堺市役所から買主の元へ直接納付書が届き直すわけではなく、その年の3月〜4月頃に届いた納付書に記載された税金は、最後まで売主様が堺市に対して納め続けなければならない義務を負っています。
しかし、これでは引き渡し日以降、自分は全く使っていない不動産の税金を売主が払い続けることになり、著しく不公平です。そこで、日本の不動産売買の実務においては、売主様と買主様の間の公平性を担保するため、売買契約書の中で「固定資産税・都市計画税の精算合意」を必ず取り交わします。
【起算日から引き渡し日の前日まで】の分 = 売主様の負担
【引き渡し当日から起算日の一歩手前まで】の分 = 買主様の負担
決済日当日に、買主様が自分の負担分に相当する日数の金額を計算し、「固定資産税精算金」という名目の現金を売却代金とは別枠で、売主様の手元へ直接支払って(相殺精算して)くれます。なお、起算日(1年の始まりを何月何日とみなすか)については、関東では「1月1日」をスタートとする慣習が強いですが、堺市を含む関西エリアの不動産売買においては、行政の年度の始まりに合わせた「4月1日」を起算日として日割り計算を行うケースが一般的です。この精算金は税金そのものではなく、当事者間の売買代金の調整(実質的な物件価格の上乗せ)として処理されるため、売主様にとっては「手元に戻ってくるプラスのお金」となります。
税金トラブルを未然に防ぐ!売却前に手元に揃えるべき重要書類
不動産が売れてしまってから「税金がいくらになるか分からない」と慌てるのを防ぐため、また税理士や税務署の無料相談、不動産会社の査定を受ける前に、ご自宅から以下の書類を可能な限り引っ張り出して1つのファイルに整理しておくことを強くお勧めします。これらの資料の有無が、節税の成否を100%決定づけます。
- 購入時の「不動産売買契約書」および「建築請負契約書」:土地や建物の本来の購入価格を証明し、概算取得費(5%)のペナルティ課税を回避するための最重要書類です。
- 購入時の各種「領収書」:当時の仲介手数料、登記費用、不動産取得税、リフォーム代金など、取得費を1円でも多く積み増して利益を圧縮するために必要です。
- 毎年春に堺市から届く「固定資産税・都市計画税の納税通知書(課税明細書)」:土地の正確な地積や建物の延床面積、固定資産税評価額を瞬時に把握し、登録免許税や精算金の計算をスムーズにするために必要です。
- 購入時の住宅ローンの「金銭消費貸借契約書」や「返済予定表」:現在のローンの正確な残高を確認し、売却代金で一括完済して抵当権を抹消できるかどうかの足元を見極めるために使用します。
不動産売却の税金に関するよくある質問(FAQ)
Q. 不動産を売却したあと、確定申告は必ず全員が行わなければならないのでしょうか?
Q. 親から相続した実家を売りたいのですが、親がいくらでこの家を買ったのかサッパリ分かりません。税金は高くなりますか?
Q. 3,000万円特別控除は、夫婦で共有名義にしている一戸建てやマンションを売る場合、どうなりますか?
Q. 不動産会社から提示される税金のアドバイスや計算は、100%信用してそのまま申告しても大丈夫ですか?
まとめ|売却活動の「前」に税金のプロと戦略を練ることが手取り最大化の鍵
堺市における不動産売却・不動産売買の成否を分ける最大の分水嶺は、「いくらで高く売れるか」という目先の売出価格の数字に一喜一憂するのではなく、「法律で定められた各種の特別控除や特例スケジュールを100%完璧に使いこなし、売却翌年に出ていく税金を限界までミニマムに抑え込むこと」にあります。長期・短期の所有期間の数え方の罠や、3,000万円特別控除と住宅ローン控除の選択、さらには令和6年最新の相続空き家特例の活用など、売主様が売り出すタイミングを「1ヶ月前後させるだけ」「名義の持たせ方を少し変えるだけ」で、手元に残る現金(純手取り額)が数百万円規模で激変するのが不動産税制のリアルな世界です。
だからこそ、税金のことをすべて後回しにして売買契約書に判を押してしまうのは絶対に避けてください。売り出しを依頼する不動産会社を選ぶ際には、単に物件の査定額を高く言ってご機嫌取りをしてくる会社ではなく、売主様の取得費の有無や家族構成、将来の買い替え計画にまで深く寄り添い、税理士や司法書士といった士業専門職とガッチリと強固なネットワークを組んで、最初の段階から「ガラス張りのリアルな税引き後手取りシミュレーション」を提示してくれる誠実な会社をパートナーに選ぶことが、後悔のないクリーンな不動産売買を完了させるための唯一絶対の近道です。あなたの大切な財産を正しく守り、最も手残りの多くなる安心安全な不動産売却への第一歩を、まずは地元の信頼できる専門窓口への気軽な無料相談からスタートさせてみませんか?
居住用マイホームの3,000万円控除の適否判定はもちろん、令和6年最新改正の『相続空き家特例』の複雑な緩和要件のチェック、関西ならではの4月1日起算による固定資産税の日割り精算金算出まで、売主様の手残りを最大化する最適な販売戦略を無料で立案。提携税理士・司法書士との強固な連携により、法律・税制面の手続きもワンストップで完全サポートいたします。
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