股関節痛で歩けなくなり、人工関節を入れるような手術を受けるといった方が高齢者で多くいます。退院後に歩行を補助する用具が必要となるケースもありますが、その際に、介護保険を活用しての住宅改修を検討するとお得に住宅改修が出来るケースがございます。介護保険を使えば少ない負担で手すりを付けることができます。
■住宅改修は一人で悩まず、各種相談窓口に行ってみましょう!
住宅改修の相談に地域包括支援センターに行くことや介護保険で住宅改修ができるという事を把握している方は少ないかもしれません。要介護認定を申請し、要介護判定された後に施工業者を決めて役所に申請、1カ月ほどで手すり等の設置が完了。費用は20万円弱の場合、自己負担は1割の2万円弱で済みます。
■介護保険で適用できるサービスは住宅改修等にも及ぶ!
介護保険のサービスはホームヘルパーが自宅に来て食事や入浴などの援助をする訪問介護や施設に行って機能回復訓練などを受けるデイサービスがよく知られるが、自宅に住み続けるための改修工事や福祉用具の貸与などもあります。住宅改修は介護度に関わらず上限は20万円となっています。自己負担は費用の1〜3割となり、20万円を超えた分は全額自己負担になります。転居したり、要介護度が3段階以上上がったりすると再度20万円の枠が使えるので、住宅改修費用があまりにも掛かりそうな場合は、住み替え行い、その後の住宅改修に介護保険を使用する事も一つの手です。
対象工事は①手すりの取り付け②部屋と廊下の間など段差の解消③畳からフローリングなど床材の変更④開き戸から引き戸といった扉の取り換え⑤和式から洋式への便器の交換など⑥その他付帯工事の6つなります。
厚生労働省の調査によると、工事は2021年度で年43万件に上り、金額は409億円となっているようです。最近では手すり等をレンタルで賄う人が増え、給付は減少傾向との事ですが、工事を目的に要介護認定を得る人は珍しくないそうです。
■介護保険を活用しての住宅改修は「事前申請」が必須となります!
介護保険の給付を受けるには住まいのある市区町村に事前申請が必要です。承認前に工事を始めると給付を受けられませんので注意が必要です。事前にケアマネジャーもしくは地域包括支援センターに相談し、工事に慣れた施工業者を紹介してもらうと手続きはスムーズに進みます。申請などは通常、ケアマネジャーや施工業者が代行するケースが多いです。
介護保険を使っての住宅改修は持ち家だけでなく賃貸住宅でも可能です。しかし、いずれも持ち主の承認は欠かせません。一人暮らしの高齢女性から工事の相談を受けたのですが、家主が離れて住む息子だったのでなかなか連絡が取れず、申請が遅れたといったようなケースもあったようです。
工事完了後は原則その家で暮らす。入院中に工事を終えたものの帰宅せずに高齢者施設に入った人がいて、介護保険の給付は受けられず、全額自己負担になったケースもあったようです。工事は短期間で終わるケースが多いので、退院日などを見極めて依頼するのが重要です。
■介護保険は住宅改修だけでなく、レンタルでも活用できる!
工事だけでなく福祉用具の貸与や購入もあることも把握しておきたいです。貸与品目には置き型の手すりやスロープなどもある。いったん取り付けたら変更できない工事と違い、レンタルは身体状況に合わせて用具を変えることができます。工事との併用も可能となり、賃貸住宅ではレンタルで賄うことも多いようです。
介護保険を使った工事に上乗せして改修を考えるなら自治体独自の助成制度が一案です。例えば東京都では各市区町村に住宅改善費用の一部を補助しています。市区町村の登録業者は地元の制度に詳しい。介護保険と併用できる制度があれば組み合わせて使いたいものです。いずれにせよ、このような制度を活用して、不動産と上手く付き合うことを把握しておいて欲しいと思います。
今後の参考にお役立てください。
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