堺市で実家を売却するときの契約不適合責任と告知の注意点【不動産売却・売買のトラブル防止ガイド】
堺市(堺区・北区・中区・東区・西区・南区・美原区)で実家や相続不動産の売却をご検討中の方へ。不動産売買における「契約不適合責任」の基礎知識から、雨漏り・シロアリ・設備故障・越境・心理的瑕疵などの正しい告知方法、契約書の確認ポイントまで、不動産売却の専門家が徹底解説します。
- ・築年数が古い実家なので、不動産売買の後に不具合を指摘されて損害賠償請求されないか心配
- ・過去に雨漏りやシロアリ被害があったが、不動産売却時にどこまで買主に伝えるべきか分からない
- ・老朽化で設備が故障しており、そのままの状態で売買しても大丈夫なのか知りたい
- ・相続した堺市内の実家なので、過去の修繕履歴や改築経緯を把握できていない
- ・契約書に「現況有姿(現状有姿)」「契約不適合責任免責」と記載すれば絶対に安全なのか
- ・堺市特有の狭小地や隣地との境界曖昧、越境問題がある土地の売却手順を知りたい
築年数の経過した古い実家や、長期間空き家になっていた相続不動産を堺市内で売却する際、売主様が最も不安を感じるのが「売却・引渡し後に建物や土地の不具合が見つかったらどうなるのか」という点です。
2020年4月の民法改正に伴い、従来の「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」は「契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)」へと大幅に再編されました。現在の不動産売買では、引き渡された不動産が「種類・品質・数量に関して契約の内容と適合していない場合」、売主様は買主様に対して補修や損害賠償などの責任を負う必要があります。
特に堺市内には、昭和期に建てられた木造住宅や、境界標が曖昧な土地、再建築不可・既存不適格などの複雑な不動産も少なくありません。雨漏り、シロアリ、給排水管の破裂、境界の越境、さらには地中埋設物や心理的瑕疵(過去の事件・事故など)まで、事前の準備不足が大きなトラブルに発展するケースが増えています。
しかし、過度に恐れる必要はありません。大切なのは「古いから責任を負わされる」ということではなく、「どんな状態の不動産を、どのような条件で売買するのか」を契約書や重要事項説明書に明記し、買主様と正確に認識を共有することです。知っている不具合や懸念事項を包み隠さず告げ、正しく契約条件へ反映させれば、不動産売却後のリスクは劇的に軽減できます。
本記事では、堺市での不動産売買・不動産売却の実務に精通した専門家が、契約不適合責任の仕組みから、告知書の書き方、免責特約の注意点、トラブル回避のチェックリストまでを分かりやすく詳細に解説します。
- 1. 契約不適合責任とは?(旧・瑕疵担保責任との違い)
- 2. 不動産売買で買主が請求できる4つの権利
- 3. 堺市の実家売却で特に注意すべき「告知事項」と具体例
- 4. 雨漏り・漏水履歴は「過去のもの」もすべて開示が必要
- 5. シロアリ・建物傾き・構造上の欠陥の確認方法
- 6. 付帯設備(給湯器・エアコン・水回り)の故障とトラブル防止
- 7. 堺市の土地売却で多発する「境界・越境・地中埋設物」の問題
- 8. 相続不動産特有の悩み「物件の状態を知らない」ときの対処法
- 9. 物件状況報告書(告知書)の重要性と正しい記入ルール
- 10. 「現況有姿(現状有姿)」という言葉の誤解と落とし穴
- 11. 契約不適合責任を「免責」または「限定」する特約の有効性
- 12. 「個人間売買」と「不動産業者買取(買取再販)」での責任の違い
- 13. 心理的瑕疵(人の死など)に関する国交省ガイドラインの基準
- 14. 自然死・孤立死における告知判断と特殊清掃の影響
- 15. 近隣トラブル・騒音・道路通行権(私道)の告知義務
- 16. 売却前に「リフォーム・修繕すべきか」そのまま売るべきかの判断基準
- 17. 堺市での不動産売却トラブルを完全に防ぐ12のチェックリスト
- 18. 堺市の不動産売買における「よくある質問(Q&A)」
- まとめ:堺市で安心・安全な不動産売却を実現するために
1. 契約不適合責任とは?(旧・瑕疵担保責任との違い)
不動産売買における「契約不適合責任」とは、売主様が買主様に引き渡した不動産が、売買契約の内容(種類・品質・数量)と一致していない場合に、売主様が負わなければならない法的責任のことです。
2020年3月以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれ、「隠れた瑕疵(買主が普通に注意しても気づかなかった欠陥)」があった場合に責任を負う制度でした。しかし、旧制度では「何が隠れた瑕疵に該当するのか」の線引きが曖昧で、裁判に発展することも珍しくありませんでした。
民法改正により導入された「契約不適合責任」では、基準が「隠れた欠陥かどうか」から「契約書の内容に適合しているか否か」へと大きく明確化されました。
たとえ建物に雨漏りや傾きといった重大な欠陥があっても、「この物件には雨漏りと傾きがあります」と売買契約書や物件状況報告書に明確に明記して契約を交わしていれば、売主様は契約不適合責任を負いません。 逆に、どれだけ軽微な不具合であっても、契約書に書いていなければ「契約内容と異なるものを渡した」として契約不適合責任を問われることになります。
2. 不動産売買で買主が請求できる4つの権利
万が一、引き渡した不動産に契約書と異なる「契約不適合」が発覚した場合、買主様は民法上、売主様に対して以下の4つの権利を行使できる可能性があります。
- 追完請求(ついかんせいきゅう):不具合部分の補修や修繕を求める権利。「雨漏りを直してください」「壊れている給排水管を直してください」という請求です。
- 代金減額請求(だいきんげんがくせいきゅう):追完(補修)が不可能な場合や、売主が補修に応じない場合に、不具合の程度に応じて売買代金の減額(一部返金)を求める権利。
- 損害賠償請求(そんがいばいしょうせいきゅう):契約不適合によって買主様に直接的な損害が生じた場合、その損害額を補償させる権利。売主側に責めに帰すべき事由(故意や過失)がある場合に請求されます。
- 契約解除(けいやくかいじょ):不具合があまりにも重大で、契約の目的を達成できない場合に売買契約自体を白紙に戻し、代金の全額返還を求める権利。(例:家屋の構造耐力上重大な欠陥があり住むことができない場合など)
このように、契約不適合責任を追及されると、売主様は多額の修繕費用や売買代金の返金を迫られるリスクが生じます。だからこそ、堺市で不動産売却を行う際は、契約締結前の「正確な状態の開示」と「契約書の作成」が極めて重要なのです。
3. 堺市の実家売却で特に注意すべき「告知事項」と具体例
堺市内で築30年、築40年を超えるような実家を売却する場合、長年の使用による経年劣化だけでなく、様々な不具合が蓄積しているのが普通です。売主様が知っている事実を隠さずに買主へ伝えるべき「告示事項」には、大きく分けて以下の4つの分野があります。
| 不具合・瑕疵の種類 | 具体例 | 堺市の不動産売買での傾向 |
|---|---|---|
| 物理的瑕疵(品質・構造) | 雨漏り、シロアリ被害、柱の腐食、建物の傾き、給排水管の詰まり・漏水、アスベスト使用など | 築年数の古い木造戸建てや、旧耐震基準の建物で特に発生しやすい。 |
| 環境的・法律的瑕疵 | 隣地からの越境(軒・庇・樹木)、境界標の欠損、土壌汚染、地中埋設物(ガラ・旧基礎)、騒音・異臭など | 堺区などの旧市街地や狭小地で境界・越境問題が多発。美原区や南区等の田畑周辺では地中物注意。 |
| 付帯設備の不具合 | 給湯器の故障、IH・ガスコンロの点火不良、浴室乾燥機の不具合、エアコンの故障など | 空き家期間が長いと、突然動作しなくなるトラブルが非常に多い。 |
| 心理的瑕疵 | 過去の自殺、他殺、孤独死(発見遅れ)、近隣住民との深刻なトラブル、指定暴力団事務所の近接など | 相続不動産で特に問い合わせが増加。ガイドラインに基づく正しい告示が必要。 |
4. 雨漏り・漏水履歴は「過去のもの」もすべて開示が必要
不動産売却のトラブル相談で最も件数が多いのが「雨漏り」です。ここで多くの売主様が陥りがちな勘違いがあります。
「5年前に天井から雨漏りしたけれど、屋根業者を呼んで修理したから今は漏れていない。だから言わなくても大丈夫だろう」
これは非常に危険な考え方です。 現在進行形の雨漏りはもちろんのこと、「過去に雨漏りした事実」や「修理工事を行った履歴」自体が、買主様にとっては不動産の品質を判断するための重要情報です。完全に直っていると思っても、大きな台風やゲリラ豪雨の際に再発するリスクがあるからです。
過去に雨漏りがあった場合は、「いつ・どの場所で発生し」「どのような修理を行い」「どこの業者に施工してもらったか」を書類(領収書や保証書)とともに開示しましょう。もし修理書類が残っていなくても、「約○年前に天井から雨漏りがあり修理済みだが詳細書類はなし」と告知書に記載して売買契約を結ぶことが、将来のトラブルを防ぐ唯一の方法です。
5. シロアリ・建物傾き・構造上の欠陥の確認方法
木造住宅が多い堺市内の住宅街では、シロアリ被害や湿気による床下の腐食、地盤沈下による建物の傾きも深刻なチェック項目です。
シロアリ被害と防蟻処理歴
過去にシロアリ駆除を行った場合や、予防薬剤の塗布を行った場合は、施工時期と保証期間の有無を明確にします。過去にシロアリによって柱や土台が食害を受けた履歴がある場合は、補強工事を行ったかも含めて告知対象となります。
建物の傾き・建具の建て付け
「ドアや引き戸が勝手に開いてしまう」「床に玉を置くと転がる」といった症状がある場合、地盤や基礎に問題がある可能性があります。売主様自身で判断がつかない場合は、売却前に専門家による「建物状況調査(インスペクション)」の実施を検討することも有効な選択肢です。
6. 付帯設備(給湯器・エアコン・水回り)の故障とトラブル防止
中古住宅の不動産売買では、建物の本体だけでなく「付帯設備(ふたいせつび)」の状態についても細かく取り決めを行います。
特に実家が長期間「空き家」になっていた場合、数ヶ月〜数年間水道やガスを使用していなかったことが原因で、引渡し直後に給湯器が点火しない、水道管のパッキンが一斉に劣化して水漏れする、といった故障が多発します。
不動産売買契約の際には、「設備表」という書類を作成します。主要な設備(給湯器、コンロ、換気扇、水栓、シャワートイレ、エアコン、インターホン等)について、「故障・不具合の有無」をチェック欄に書き込みます。
壊れている設備があれば「故障あり(撤去・修理は買主負担)」と明確に記載して渡すことで、引渡し後の設備保証トラブルを完全に防ぐことができます。
7. 堺市の土地売却で多発する「境界・越境・地中埋設物」の問題
不動産売買における契約不適合責任は、建物だけに適用されるものではありません。「土地」に関するトラブルも非常に多く発生します。特に歴史のある堺市(堺区の旧市街地や中区・東区・西区・南区・美原区の昔からの集落など)の不動産売却では、以下の3点に厳重な注意が必要です。
① 土地境界(境界標)の不鮮明
隣地との境界を示す「境界標(コンクリート杭や金属プレート)」が埋もれている、紛失しているケースです。境界が曖昧なまま売買すると、売却後に買主様が隣人とフェンス建設などで揉め、契約不適合とされる恐れがあります。売却前に土地家屋調査士による「確定測量」を行い、境界確認書を作成するのが理想的です。
② 屋根・ひさし・ブロック塀の「越境(えっきょう)」
自分の家の屋根や雨樋、ブロック塀が隣敷地に飛び出している、あるいは逆に隣の家の樹木や庇が自分の敷地に飛び出している状態です。越境がある場合は、「越境の事実」「将来建て替え時に是正する旨の覚書」等を整理して買主に引き継ぐことが必須となります。
③ 地中埋設物(ちちゅうまいせつぶつ)
古家を解体して更地として売買する場合に特に多いトラブルです。土の中に昔の解体ガラ(瓦礫)、旧建物の基礎、井戸、古い給排水管、浄化槽などが埋まっているケースです。地中埋設物が見つかると撤去費用が発生するため、契約書で地中埋設物に関する責任範囲(発見時の対応)を定めておきます。
8. 相続不動産特有の悩み「物件の状態を知らない」ときの対処法
「親が一人で暮らしていた堺市内の実家を相続したが、自分は別の市に住んでいたため、過去にどんな修繕をしたのか、雨漏りがあったのかサッパリ分からない…」
このようなケースは相続不動産の売却で極めて一般的です。売主様自身が把握していないことについて、当てずっぽうで「問題ありません」「雨漏りはありません」と答えるのは最も危険です。
相続物件で過去の経緯が不明な場合は、物件状況報告書に「本物件は相続により取得したため、過去の修繕歴、雨漏り歴、建築・増改築の詳細等については把握できておらず『不詳』である」と正直に明記します。「分からないという事実」を買主様と共有して納得の上で購入してもらうことで、後からの責任追及を回避できます。
9. 物件状況報告書(告知書)の重要性と正しい記入ルール
不動産売買の実務において、契約不適合責任を防ぐ最強の防衛ツールが「物件状況報告書(告知書)」です。
これは、売主様自身が物件の現在の状況や過去の履歴についてチェック項目に回答し、買主様へ交付する公的な書類です。宅地建物取引業法に基づき、仲介業者(不動産会社)を通じて買主様へ説明されます。
【物件状況報告書を記入する際の3大原則】
- 自己判断で「これくらい書かなくてもいいや」と思わない:過去の小さな水漏れや、近隣との些細なやり取りもすべて不動産会社へ相談する。
- 記憶があやふやな点は年数や範囲をぼかさず正直に:「約10年前にリビング屋根部分を防水工事」など覚えている範囲で正確に書く。
- 不動産会社に任せきりにせず自分の目で確認する:作成された告知書の内容を最後に必ず売主様ご自身で熟読し、間違いがないことを確認してから署名捺印する。
10. 「現況有姿(現状有姿)」という言葉の誤解と落とし穴
中古住宅の物件情報やチラシで良く見かける「現況有姿売買(げんきょうゆうしばいばい)」「現状渡し」という言葉。「現在のそのままの状態で引き渡すのだから、売却後に不具合が出ても一切責任を負わなくていいのだろう」と誤解されている売主様が非常に多くいらっしゃいます。
「現況有姿で売買する」とは、単に「売主は売却にあたってリフォームや清掃を行わず、現在の見た目のまま引き渡す」という意味に過ぎません。
契約書に「現況有姿」と書かれていても、契約不適合責任を免除する特約が別途記載されていなければ、売却後に見つかった雨漏りやシロアリについて売主様は補修責任を追及されます。「現状有姿だから安心」という思い込みは非常に危険です。
11. 契約不適合責任を「免責」または「限定」する特約の有効性
では、古家を売却する際、売主様が膨大な責任を負わないようにするにはどうすればよいのでしょうか。個人間の不動産売買においては、当事者間の合意によって契約不適合責任の期間や範囲を任意に変更できる「特約」が認められています。
① 責任期間の短縮特約
民法の原則では、買主が不具合を知ってから1年以内に通知すれば責任を問えますが、これでは売主様は長期間不安に晒されます。そのため実務では「引渡し完了後3ヶ月間のみ負う」といったように期間を短縮する特約を結ぶのが一般的です。
② 建物についての契約不適合責任免責特約
築年数が40年〜50年を超えており、建物の資産価値がほぼゼロ(土地価格メインでの売買)の場合、「売主は本建物について契約不適合責任を一切負わない(免責)」という特約を付加して売却するケースが多々あります。
契約書に「契約不適合責任を一切免責する」と書いてあっても、売主様が「不具合があることを知りながら、買主様に告げずに売却した場合」は、民法第572条の規定により免責特約は無効となります。「隠して売れば免責される」ということは絶対にあり得ません。
12. 「個人間売買」と「不動産業者買取(買取再販)」での責任の違い
不動産売却の手法には、大きく分けて「仲介(一般買主へ売買)」と「買取(不動産会社へ売却)」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、契約不適合責任のルールはガラリと変わります。
| 売買の形態 | 契約不適合責任の扱い | メリット・特徴 |
|---|---|---|
| 個人間売買(仲介) | 特約により責任期間を「3ヶ月」等に短縮、あるいは「建物免責」にすることが可能。ただし告知義務は残る。 | 相場通りの高値で売却できる可能性があるが、売却後のトラブルリスクゼロにはならない。 |
| 不動産業者買取 (宅建業者が買主) | 売主様(個人)の契約不適合責任を「完全免責」にする契約が一般的。引渡し後の事故や不具合は全て業者の責任。 | 売却価格は相場の7〜8割程度になるが、リフォーム不要、即現金化、売却後トラブルの心配が一切ない。 |
「とにかく古くてどこに欠陥があるか分からない」「売却後に買主から連絡が来るストレスを一切無くしたい」という堺市の売主様には、不動産会社による「直接買取」も非常に有効な選択肢となります。
13. 心理的瑕疵(人の死など)に関する国交省ガイドラインの基準
実家売却でご相談が増えているのが「心理的瑕疵(しんりてきかし)」、いわゆる事故物件や訳あり物件に関する告知の基準です。
2021年10月、国土交通省は「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を制定しました。これにより、どのような事案を告げるべきかの明確な指針が示されました。
- 原則として告知不要なケース:老衰、病死、自然死、および日常生活の中での不慮の事故(階段からの転落、入浴中の溺死、誤飲など)。
- 原則として告知が必要なケース:自殺、他殺、事故死、あるいは自然死であっても発見が遅れて「特殊清掃」や「大規模リフォーム」を行った場合。
- 告知が必要な期間:賃貸物件では約3年とされていますが、売買物件の場合は期間の定めがなく、数年前の事案であっても原則告知が必要と整理されています。
14. 自然死・孤立死における告知判断と特殊清掃の影響
ここで特に注意が必要なのが、高齢の親御様が一人で暮らしていた実家での「孤独死・孤立死」のケースです。
死亡の原因自体が心筋梗塞や老衰などの「自然死」であっても、真夏で発見までに数週間がかかり、遺体の傷みによって特殊清掃業者を入れたり、床や壁紙を全張替えしたりした場合は、「買主様の購入判断に重大な影響を与える事項」に該当します。
売主様自身の判断で「病死だから言わなくていいや」と放置せず、当時の遺品整理や特殊清掃の実施状況をそのまま不動産会社へ伝えてください。プロの宅地建物取引士が適切な開示方法をアドバイスいたします。
15. 近隣トラブル・騒音・道路通行権(私道)の告知義務
不動産売買では、建物や土地そのものの物理的な状態だけでなく、「周囲の環境」に関するトラブルも告知対象となります。
- 近隣トラブル:隣人からの異常な嫌がらせ、ゴミ屋敷の近接、境界を巡る継続的な紛争など。
- 騒音・悪臭・振動:特定の時間帯に発生する騒音、近隣の工場や畜産施設からの悪臭など。
- 私道負担・通行権:敷地前の道路が私道であり、通行掘削の承諾が得られていない、または私道負担金のトラブルがある場合。
これらを隠して売却し、買主様が入居した直後にトラブルに巻き込まれた場合、環境的瑕疵に基づく損害賠償や契約解除を請求されるリスクがあります。
16. 売却前に「リフォーム・修繕すべきか」そのまま売るべきかの判断基準
「雨漏りや設備の故障が見つかった場合、自腹で何百万もかけて綺麗にリフォームしてから売却した方が良いのだろうか?」とお悩みになる堺市の売主様も多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、ほとんどのケースで「事前に高額な修繕をする必要はなく、不具合を告知した上で現状のまま売却する」ほうが経済的に得策です。
- 持ち出し費用(手持ち資金)が不要:売却前に数百万円のリフォーム費用を用意するリスクを回避できます。
- リフォーム費用を売却価格に上乗せできないことが多い:300万円かけてリフォームしても、相場より300万円高く売れるとは限りません。
- 買主のニーズに合致する:最近の中古住宅購入者は「自分の好みにリノベーションしたい」という層が増えています。不具合分を価格交渉で値引きして渡す方が喜ばれるケースが多いのです。
17. 堺市での不動産売却トラブルを完全に防ぐ12のチェックリスト
堺市内で実家や相続不動産の売却を進める際、契約不適合責任や告知に関するトラブルをゼロにするための実践チェックリストを作成しました。媒介契約や売買契約の前に必ず確認してください。
- ☐ 過去の雨漏り・屋根修繕・ベランダ防水の履歴を確認・整理した
- ☐ シロアリ被害の有無、過去の防蟻工事の保証書を探した
- ☐ 床の沈みや傾き、ドアの閉まり具合など建物の状態を確認した
- ☐ 給排水管の詰まりや漏水、過去の修繕履歴を確認した
- ☐ 給湯器・コンロ・水回りなど付帯設備の動作確認を行い「設備表」に記載した
- ☐ 土地の境界標の位置を現地で確認し、紛失があれば不動産会社に相談した
- ☐ 屋根・庇・ブロック塀・樹木などの「越境」がないか確認した
- ☐ 相続物件で把握できていない過去の履歴は「不詳(詳細不明)」として整理した
- ☐ 過去の室内での死亡事故や自然死(発見状況)の有無を不動産会社に伝えた
- ☐ 近隣住民とのトラブルや過去の境界紛争などの有無を正直に伝えた
- ☐ 物件状況報告書(告知書)を自己判断で省略せず丁寧に記入・確認した
- ☐ 売買契約書に記載される「契約不適合責任の期間(例:3ヶ月)」や「免責範囲」を確認した
18. 堺市の不動産売買における「よくある質問(Q&A)」
Q1. 築50年の堺市内の実家です。契約不適合責任を一切負わない「全部免責」で売却できますか?
A. 個人同士の不動産売買であれば可能です。
「建物価値なし・土地価格のみ」として売却する場合、売買契約書に「売主は建物について契約不適合責任を負わない」という特約を入れることができます。ただし、前述の通り売主様が「知っていて告げなかった欠陥(例:隠していた重大な雨漏りなど)」については免責されませんので、知っている情報の完全開示が前提となります。
Q2. 昔、雨漏りしたけれど完全に修理して今は漏れていません。それでも伝える必要がありますか?
A. 必ず伝えてください。
現在は雨漏りしていなくても、「過去に雨漏りがあり修繕した」という履歴自体が重要な告知事項です。物件状況報告書に「平成○年に〇〇部分より雨漏りあり、修理工事施工済み」と記載しておけば、将来万が一再発しても契約不適合責任を問われる心配はありません。
Q3. 相続した実家で、一度も住んだことがなく建物状態が全く分かりません。
A. 「相続のため詳細不明」として告知書を作成します。
分からないことを適当に推測で答えるのが最も危険です。「売主は本物件に居住したことがなく、過去の建築・修繕履歴等の詳細は不明である」という事実をありのまま契約書や告知書に記載し、買主様に理解してもらった上で売買契約を締結します。
Q4. 実家で親が自然死(老衰)しました。買主に伝える必要がありますか?
A. 原則告知不要ですが、発見状況によります。
国土交通省のガイドラインに基づき、病死や老衰などの自然死は原則として告知不要です。ただし、発見までに時間がかかり、特殊清掃を行ったケースや、買主様から直接「過去に亡くなった方はいますか?」と質問された場合は、トラブル防止のため回答・告知する必要があります。
Q5. 古い実家を解体して「更地」として売却すれば、建物の責任はなくなりますか?
A. 建物の責任はなくなりますが、「土地の契約不適合責任」が発生します。
解体して更地にすれば建物の雨漏りやシロアリ責任は当然なくなります。しかし、今度は「地中埋設物(解体残骸や旧基礎、井戸)」や「土地境界」「土壌汚染」といった土地特有の契約不適合責任が問題となります。更地渡しの場合でも土地に関する告知と特約の整備は不可欠です。
まとめ:堺市で安心・安全な不動産売却を実現するために
堺市で実家や相続不動産を売却する際、「契約不適合責任」や「告知義務」と聞くと、「何か不具合が見つかったら大変なことになるのでは…」と不安を感じるかもしれません。
しかし、不動産売買トラブルのほとんどは「売主様が知っていた不具合を伝えなかった(隠した)」ことや、「曖昧な知識のまま契約書を作成してしまった」ことが原因で発生しています。
一番大切なのは、以下の3点です。
- ・不具合や過去の履歴を隠さず、正確に不動産会社へ伝えること
- ・「分からないこと(相続で不明な点)」は推測せず「不明」と明確にすること
- ・売主様・買主様の双方が納得する適切な特約(責任期間3ヶ月、建物免責等)を契約書に盛り込むこと
築年数が古いお住まいや、雨漏り・設備故障がある実家、境界が曖昧な土地であっても、正しい手順を踏んで契約を行えば、売却後のトラブルを100%近く防ぎ、安心して次のライフステージへ進むことができます。
堺市(堺区・北区・中区・東区・西区・南区・美原区)の不動産売却・不動産売買・相続不動産の処分でお悩みの方は、地域密着の不動産売却専門会社へまずはお気軽にご相談ください。
堺市で古い実家・相続不動産の売却をご検討中の方へ
雨漏り、設備故障、越境、残置物がある実家、境界曖昧な土地でも、現在の状態のままで安心してご相談ください。
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「どこまで告知すればよいか分からない」「古い家なので売却後が心配」「仲介と買取のどちらが得か知りたい」など、売却検討の初期段階から専門スタッフが丁寧にお答えします。
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TEL:072-238-3800
※本記事は民法、宅地建物取引業法および国土交通省の公表資料等を参考にした一般的な情報提供を目的としています。契約不適合責任、告知義務、心理的瑕疵、個別の契約条項に関する最終的な法律上の判断については、宅地建物取引士・弁護士等の専門家へご確認ください。
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