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買った家に一生住み続けるのは重くないか?

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買った家に一生住み続けるのは重くないか?

カテゴリ:不動産売却
皆様こんにちは。

堺東駅前に店舗を構えて堺市の不動産売買のお手伝いを長年している「LIXIL不動産ショップ(株)友進ライフパートナー」です。堺市の不動産購入、堺市の不動産売却、リフォーム相談から見積もり取得、相続相談など不動産の事を幅広くお手伝いさせて頂いております。駅前に店舗がありますので、いつでもお気軽にお越しください。

今回の記事テーマは「買った家に一生住み続けるのは重くないですか?」です。

これから家を買う方は、私たちの親世代では選択できなかった、人生を有利に過ごす選択肢を持っています。
しかしこれまでの住宅購入の常識から、せっかくのチャンスに気付かず、棒に振ってしまう方が少なくありません。
新築偏重時代には選択できなかったこととは、必要になったら住み替えるという選択肢です。

■一生で一回の買い物には無理がある

新築偏重時代には家は一生で一回の買い物、一国一城の主、終の棲家というような表現をよく見かけました。
中古住宅流通が今ほど活発ではなかったため、一度家を購入したらすっと住み続け、介護の問題に直面して慌てて売却されるか、相続が発生して売却されている家が、今の中古流通市場に流れています。
購入にかかった金額よりも安い金額でしか売れない為、これまで苦労して返済してきたローンのこともあり、なかなか損切りできないのが実情のようです。
他方で資産価値の目減りが緩やかで、思った以上の売却金額になった、という声もよく聞きます。
これらの違いは将来売れる(もしくは売りやすい)物件を購入したかどうかです。

多くの方が思い浮かべるマイホームは、3LDK~4LDKの所謂ファミリータイプと呼ばれる間取りです。
結婚して子供が産まれる、もしくは子供が少し成長したタイミングで家を買うのが一般的とされていました。
ファミリータイプの間取りは子供が一緒に住んでいるうちは有効活用できますが、子供が独立してしまうと途端に無駄なスペースになってしまいます。
実家にある自分が住んでいた部屋がそのままになっていたり、物置になっていたりするのはよく聞く話ですね。
たまに実家に帰省する際に利用するので、親世代からすると、子供が帰ってくるためのスペースと納得しているのでしょう。

戸建ての場合、後期高齢期に差し掛かると更に問題が深刻になります。
後期高齢者にとっては家が広すぎるのです。しかし高齢になればなるほど住み替えの選択がしにくくなります。(金銭面・体力面)
家族と過ごした思い出が足かせになり、ギリギリまで頑張るものの、いよいよ介護が必要になった時に資金の問題に直面します。
余力のある方は高齢者施設に移住します。
ここで空き家になった実家が資金化されることは少ないです。
家族の想い出が枷になるからです。
実家を処分するということは帰る場所を無くしてしまうと子供世代は考えてしまいます。

結局のところ相続が発生するまで空き家のまま放置され、相続時に慌てて売りに出されているのが今中古として出ている築古物件の一部です。

売ることを想定しない住宅購入の末路はこんな感じです。
これから高齢者が増え、年間150万人くらいが亡くなる時代になったので、後期高齢期の住宅資産問題は、これから益々顕在化してくるものと思われます。

と、前段が長くなりましたが、ここまででお伝えしたいことは1点です。
「30~40歳の時に購入した家に一生住み続けるのってそもそも無理があるのでは?」

■将来予測が難しい時代

以前も日本創成会議が2014年に発表した消滅可能性都市のレポートがありますが、先日人口戦略会議という別の団体が全体の40%にあたる744自治体が消滅の可能性があるという報告書を発表することがニュースになっていました。

744自治体、消滅可能性 4割超、30年間で女性半減

今後47都道府県中41位の山梨県と同じ人口が毎年減り続ける社会なので、当然ながら自治体の整理も加速度的に進めていかないといけない状況です。

ご紹介した記事で見過ごせないのが、日本創成会議が2014年に発表した消滅可能性都市は896だったのですが、150ほど減ったという点です。
記事では外国人住民の増加であると記載されています。
外国人の移民問題はニュースでもよく見かけるようになりました。
日本人は移民と聞くと工場労働者をイメージする人が多いのですが、問題の本質は隣人として移民を受け入れられるか?ということであり、文化の違いから様々な問題が発生し得ると容易に想像できます。

人口減少により「捨てる街選び」が加速します。
具体的には自治体を維持するためのコスト負担が重くなり、都市部と地方で大きな差が生じます。
人口が減る街は、負担する金額が増え続けますが、享受できる行政サービスの質が低下していきます。
住みにくくなった街をあえて選択する理由がないので、ますます人口流出が加速していきます。
移民問題も重要です。
本来はそうあるべきではないのですが、移民によるコミュニティが造成されたエリアには日本人が集まりにくくなると予想されます。
よく言えば異文化コミュニケーションが図れる立地ですが、悪く言うと、日本人が想定しない宗教や文化の違いに起因する問題に巻き込まれる立地とも言えます。

このように現在時点で発生している諸問題だけでも、このエリアに家を買ってしまうと将来売れなくなる、売りにくくなるというのは容易に想像できますし、その地域は今後益々増えていきます。

ここでも長くなりましたが、ここまででお伝えいしたいのは1点です。
「この時代に一生住み続ける家を買うってそもそも無理があるのでは?」

■令和時代の住宅購入は「いつでも売れる」が前提

人口減少問題に直面して日本という社会が大きく様変わりし始めています。
当然ながら人生における支出の多くを占める住居費についても、考え方をアップデートする必要があります。
今回の記事では触れませんでしたが、住宅ローン金利に対する考え方も大きく変わろうとしています。
不動産の資産価値はとにかく「立地」です。
物件にばかり目が行って、肝心の立地の検証を疎かにすることがないよう、不動産会社と相談して十分に検討を重ねてください。

■おまけ 自治体の統合は容易ではない

消滅可能性都市のことをご紹介しましたので少し触れます。
北海道夕張市のように財政破綻してしまう例も十分に起こり得る事態ですが、その前に自治体の統合が進むと予想されます。
管轄している面積単位で判断すると予算がいくらあっても足りないので、住民当たりの判断に切り替えなければなりません。
実際に学校の統廃合なども進んでいます。
やらざるを得なくなっているのでやるしかないのですが、この流れにブレーキをかけるのが住民の想いです。
行政サービスの最適化の行く先は住むエリアへの集中と住まないエリアの選定です。
長年住んできたエリアが住まないエリアにされたら心情的には受け入れ難いですね。
実際各自治体の議会などを見ると、地元住民の声と執行側の意見の相違が多く見られます。
総論として縮小傾向なのはやむを得ないと思っていても、いざご自身に関係する問題となると断固として反対する、そんな感じです。※今まで使っていた近くのゴミステーションが効率化のために遠くなるのに反対するといった感じです。

特に地方は若い世帯の流出を抑えるだけでなく、都市部から新たに獲得する対策も必要になるので、住むエリアに限られた資本を集中投下して魅力ある街としてのアピールも必要です。
しかし重点エリアから外れた人からすると、自分に関係のないところに予算が使われるのでおもしろくないわけです。

しょうもない話だけれども必ず問題になるのが名称です。
○○市と○○市が統合します、となると、統合した市の名称をどうするか?で結構もめます。
統合する市の力関係が同等の場合は、新しい名前を付けましょう、という流れも起きますが、力関係に差があると、強い自治体(人口が多い自治体)の名称をそのまま使うという意見も強く、地元が失われるような感じがして、名前が変わってしまう方の自治体に住む人は当然ながら反対するわけです。

そもそも自治体が統合するということは市長も市議会議員も減ることになるので、積極的に議論すべき立場の人が、ともすれば自分の立場を失ってしまう可能性もある訳で、建設的に議論が進むとは期待できません。

おまけと言いながら長くなりましたが、街全体の現在の動きは重要な判断基準です。
駅に近い○丁目、ではなく、市をまたぎ、県すらまたいで、人が集まり続けるエリアを選ぶというのは、令和時代の住宅購入のあり方かもしれません。
1回目の住宅購入に人生全てをつぎ込むのではなく、住み替えの可能性を視野に入れつつ、主に資金面でなるべくリスクの少ない住宅購入を行っておいて、その後の展開に応じて柔軟に住み替えするというのが最適な住宅購入と言えるかもしれません。

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